老犬 生活

老犬の介護で寝不足ですか?ノイローゼー気味のあなたにお伝えしたいこと。

老犬の介護で寝不足、ノイローゼー気味のあなたに

少しわたしの体験談を少しお話したいと思います。

田舎の小学生だった数十年前、近所で柴犬を飼っているお宅がありました。

 

登校中、わたしたち小学生を見かけると「ワンワン」と吠えましたが、それだけ。威嚇するわけでも、追いかけてくるわけでもありません。

しかし、数年後その柴犬は朝も昼も夜も、今まで閉まっていたネジが緩んだかのように鳴き始めました。

 

一向に鳴きやむ気配はなく、それどころかますま鳴く時間は長くなり、その声は近所の中で騒音と化していたのです。

 

ある日の下校中、軽トラックの荷台にポチが繋がれて、飼い主のおじさんと出かけるところに遭遇しました。

[speech_bubble type=”rtail” subtype=”R1″ icon=”aaa.jpg” name=”ハッピー”] ポチはどこに遊びに行ったの?。[/speech_bubble]

それから数日後、わたしはあることに気付いたのです。

「いつも吠えてるポチの声がしない。」って。

 

しばらく経ったころ、母に何気なくこう言いました。「ポチの声、しないね。」と。

すると、ようやく母が重い口を開き話してくれました。

 

ポチの飼い主さんのお宅には日夜鳴きやまないポチに対して苦情が何件かあり、ポチの飼い主は相当悩み苦渋の選択である決心をしたそうです。

ポチはおじさんとお出かけしたのではなく、保健所に向かったのでした。

・・・これは30年前の、ちょうど空が高くなり稲穂が垂れて来た秋の日の出来事でした。

老犬の介護の実情

1990年代の犬の平均寿命は8~9歳でした。

しかし現代においては、10歳を超えることは当たり前で、中には20歳近く生きるわんこもいるのが現状。

 

犬は可愛い。顔が可愛いので歳をとってもあまり気が付きにくいのですが、人間と同じで老化現象は確実に進んでいます。

足腰が弱くなる、排泄が自分では出来なくなる、認知症・・・

以前は今みたいに犬の認知症という言葉を聞いたことがなかったのではないでしょうか。

ノイローゼーにならないための老犬介護のノウハウ

散歩について

足腰が弱り、若い頃とは散歩の仕方も変わります。

風を切って疾駆する、ドッグランを走り回っていた若い頃とはほど遠く、足も腰も弱ってしまい、今ではすっかりヨチヨチ歩きでの散歩になり、いよいよ後ろ足の力がなくなって、散歩がしにくいな、と感じたら補助器具に頼るのも一つの方法。

 

わたしの経験上、サクサク歩く1時間よりゆっくり歩く時間は、一見時間が無駄に流れているようで、とても豊かな時間になっていました。

こんな風に書くと悲しくなる方もいるかもしれませんが、あと何年、いやあと何回こうやって愛犬と一緒に歩くことが出来るか想像してみて下さい。

 

だから今は、ゆっくり歩幅を合わせて同じ空気の匂いをかいで、同じ空を見上げ、時々話をしながら歩いて思い出となる今日を紡ぐのです。

[speech_bubble type=”rtail” subtype=”R1″ icon=”aaa.jpg” name=”ハッピー”] ボクおかあさんと歩くのだぁいすき![/speech_bubble]

 

トイレについて

この間までなんてことなかったトイレ問題。

あれ?少し外れちゃったかな?ということが続きます。それはたまたまではありません。

 

それは、視力が低下してトイレが見えにくくなっていたり、脚の筋肉が衰えているためトイレを外してしまうのです。

長くつけっ放しになると、衛生状態がよくないため、あまり積極的にお勧めはしませんが、症状によってはおむつの準備も始めなくてはいけません。

 

オムツをさせる目的は、漏らしてしまったり、垂れ流しになることを避ける目的ではめるだけなので、オムツで排便をさせる、というのであれば出来れば、排便はトイレシートや外に出た時にさせたいものです。

 

犬という生き物は、とても誇り高く、プライドの高い動物です。

認知症で自分の姿を認識できていないかもしれませんが、オムツをしている姿はおそらく受け入れ難い事実になっているかもしれません。

 

我が家のパートナーはおむつを嫌がったので外したら拭く、外したら拭くの繰り返しでした。

その時に獣医師から、「人間と一緒で、オムツを付けたからといって、そのオムツに排便することはなかなか出来ないんですよ。」と言われました。

 

確かに、手術の際にオムツを履く場合があると思いますがオムツの中で排便することは出来ないですよね。

それと一緒なんだと。

 

また、愛犬がトイレを失敗しても決して感情的に怒ってはいけません。口で怒っていなくても、飼い主が怒った感情を持って接していれば、犬はすぐにその気持ちをくみ取ります。

 

怒ってトイレの失敗がなくなるわけではないですから。

 

「トイレ失敗しても、拭けばきれいになるし、おじいちゃんだから仕方ないわね。」と、大きく構えていた方が自分の心も楽です。

認知症について

犬の高齢化に伴い認知症問題も出てきました。

犬の認知症とは老化に伴い認知力や反応性が低下し学習記憶能力が衰えてしまった状態のことです。

 

何の対策も講じなかった場合、犬の脳は加齢と共に確実に衰えをみせます。

大型犬で8歳以上、小型犬で10歳以上のパートナーで、このような症状が出たら認知症を疑って下さい。

 

  1. 良く知っている人を認識できない
  2. 良く知っている場所で迷子になる
  3. 落ち着きがなく家の中で徘徊する
  4. 障害物を避けられず立ち往生する
  5. 撫でられることへの反応の低下
  6. 今まで好きだったことにたいする興味の低下
  7. ちょっとしたことで怒り出す
  8. 散歩中にあった他の犬への攻撃
  9. これまで何にもなかった同居犬への攻撃
  10. 他の犬から攻撃性を向けられる
  11. 不眠と過眠
  12. 夜中に徘徊し鳴く
  13. 日中寝てばかりいる

いかがでしたか?

当てはまるものがあれば認知症を疑い、対策を講じましょう。

この中にある12.夜中に徘徊し鳴く、というのは体験された方は分かると思いますが、正直しんどいです。

それはまるでこの世の地獄・・・

 

昼間、わたしたちは普段通りに活動します。そして、夜は眠りにつきたい。

それが、どうでしょう。夜中は愛犬の鳴き声で起こされて、なだめても何をしても鳴きやまない愛犬。

 

夜中だし、声は大きいし、近所迷惑になるといけないと思い、なんとか鳴きやませようとしたら明け方だった・・・

こんな毎日が続いたら、飼い主は一体いつ寝ればいいのでしょうか?

 

冒頭でお話したポチの飼い主さんも、この夜鳴きのせいでノイローゼー気味になったと聞きました。

人間は、不可抗力により睡眠時間を奪われるというのが一番きついことです。

 

睡眠不足で辛い上、大好きな愛犬が昼夜問わず鳴くため鳴かせないようにあの手この手を講じ(しかしそれでも鳴く)、近所の目を気にしながら生活する、なんてのは想像にするに堪えません。

 

当時はサプリメントなど補助食品はありませんでしたが、今は犬によってはぴたりと症状が消えるものもあるようです。

主治医に相談し、サプリメントに頼るのも選択の一つとして心に書き留めておいて下さい。

 

介護を外注する

「介護を外注する」なんて書くと、何なんだ?とお思いかもしれませんが、介護をひとりで抱えてはいけません。

 

ただでさえ孤独な介護なのですが、夜鳴きなど、寝不足になる要因が加わると、日常の生活をかえないといけなくなりますが、仕事を持っている人などはそう簡単に変えられないのが、現実ではないでしょうか。

 

自分も生活を変える、とか、寝不足のまま仕事に行く、などは文字にすると簡単に聞こえますが、実際やってみると、本当に辛い。

人間らしい生活とは程遠い。

 

そうなってしまった以上、介護施設など、外部の介護団体を頼ってもいいと思います。

最近では、短期で預かってくれる介護施設もありますし、一日のなかでも短時間だけ預かるシステムもあります。

 

こういった施設を積極的に利用して、介護を一人で抱えることはしないで下さい。

 

まとめ

30年前わたしが小学生の時に体験したあの出来事は今でも忘れることができません。

当時、子どもだったわたしは「ポチのおじさんはなんてひどい人なんだ」と心の中でおじさんを責め、侮辱しました。

 

しかし、自分も愛犬を看取り、そして大人になった今は彼を責めることは出来ません。

彼がした選択を正しいと思うことは決してないでしょう。しかし、介護の苦しみは体験したことが無いと分からないのも事実。

 

もし今あなたが「介護がつらい」と感じていたら、主治医に相談したり、コミュニティで同じ悩みを持つ方と共有したり、わたしのコメント欄からコメントを下さっても構いません。

 

誰かに心の内を話したら楽になる場合もあります。

 

だから一人で抱えないで。わたしからのお願いです。

余命宣告された老犬のためにわたしたちが出来ること、コチラの記事も読まれています→老犬や余命宣告された愛犬にしてあげられること。飼い主だからこそ出来るたった1つの事とは

 

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ABOUT ME
まめ太
幼少の頃から身近に犬がいる生活を送っています。 祖父が育てていた元警察犬(ジャーマン・シェパード)が常にいる状況でした。 そして現在は茨城県動物指導センターから引き取った元保護犬をパートナーに選び、暮らしています。 将来は、保護犬の活動の一環として保護施設にいる子たちの避妊手術を寄付できるよう現在活動中。