老犬の気持ちを考える。最後にしてあげられることは何か?
犬の寿命は10年から長くて20年。思ったより長いですか?
でも、あなたが15歳の時に犬と一緒に暮らし始めたとしたら35歳になった時には残念ながらあなたの愛犬はもうこの世にいない確率の方が高いはず。
そう考えたら、犬の一生はわたしたちが考えているよりもずっと速いスピードで過ぎています。
いつも笑って暮らしてあげたい。犬にも毎日楽しく暮らしてもらいたい。そう思いませんか?
わたしは常にこう考えます、「愛犬がどんなことを考えて、どんな風に思っているんだろう」と。
あなたは一緒に住んでいるパートナーが何を思っているか知りたいと思いませんか?
今はだいぶ表情や行動で、今彼がどうして欲しいのかわかるようになりました。
嬉しい時、つまらない時、嫌だなぁと思っている時。水を飲みたい時は水飲み場を見て「ワン。」と一度だけ吠えて教えてくれます。
しつけをしたわけではありません。これは、一緒に生活をしながら賢い犬の方が学習した結果。
よく、犬のことを「パートナー」というけど、本当にその通りだなぁと思うことがたくさんあるのです。
老犬の気持ち。老犬に最後にしてあげられること
犬を飼うこと。それは命を預かるということ。とても責任重大なこと。
お金もそれなりにかかるし、病気になったら付きっきりで看病をしないといけない。
行きたい旅行だって制限がかかるし、一日の生活スタイルも犬が中心になると言っても過言ではない。
でも、犬がいる生活って一度経験したらこんなに素晴らしいことはないんじゃないか、と言うくらいファンタスティックでエキサイティングなんです。
いまもこうやって書いている足元には愛犬がくるん、と丸まって寝ています。
わたしは、パートナーが老犬になり最期の日が来るまで後悔しないようにこの言葉を常に意識しています。
参考:(犬との10の約束)
◇1番目の約束◇
わたしと気長につきあってください
犬を飼ってわかったことは、犬1匹、1匹の性格が異なり、教えたことをすぐに出来る子と出来ない子がいるということ。
犬を迎える人間側の背景はそれぞれで、ペットショップから迎える人もいればブリーダーから迎えたり、もしかしたらシェルターから迎える場合もあるでしょう。
犬にも背景があり、産まれてすぐに母親、兄弟と引き離されて最初の大事な時期を独りショーウィンドー越しのゲージの中で過ごして新しい飼い主を待つ子。
野犬で名もなく産まれた場所も定かではなく物心付いた時にはすでに、シェルターの冷たいコンクリートの上でようやく命を繋いで生活している子。
生きてきた背景も違う上に、人間のこどもと同じように器用な子、不器用な子、それぞれの長所があり短所もあります。
犬は、まず人間と一緒に暮らし始めたら飼い主さんを認識するところから始めなくてはならないのです。
そうしてしばらくすると、飼い主のことを認識し、飼い主が自分に何をしてもらいたいのか、また、何をしたら喜ぶのか、怒るのか、またそれを覚えるためには相当な時間を要します。
犬と飼い主の関係にもよりますが、わたしは自分の経験では少なくとも1年間は掛かると思っています。
だから、トイレをなかなか覚えなくても「この馬鹿犬!」なんて言わないで。
留守中ずっと鳴いているからって留守番が出来ない・・・なんて思わないで。
あなたの家に来て、まだ慣れていない環境の中で心の拠り所であるあなたの姿が見えなくなると不安になります。
だから、留守番も1年位かけて慣れさせてください。
気長に教えてあげれば、必ず出来るようになります。
そして今度はまた、シニア期に入ってくると今まで出来ていたことが出来なくなります。
今までサクサク歩けていたのに、ほんの30m進むのに30分以上かかる日がやってきます。
トイレの失敗もはじまるでしょう。
それでも、気長に呼吸を合わせて、歩幅を合わせて一緒に生きてあげて下さい。
◇2番目の約束◇
わたしを信じてください。それだけでわたしは幸せです
犬はよく失敗もします。でも、それも殆どが飼い主を喜ばせようとしていたり、笑って欲しいからだそうです。
トイレの失敗・・・とかではないですよ。
例えば、こんなことがありました。ボール遊びをしてボールを持ってきたら「偉いね!すごい、すごい!」ってたくさん褒めていました。
そうしたら得意になって、死んでるセミを咥えて来たことがありました。(セミさん、ごめんね!)
それもきっとわたしが「偉いね!」って褒めてくれると思ったからでしょう。
犬は飼い主が喜ぶことをしたいのです。笑っている顔が見たいのです。
だから、わたしたち飼い主は犬を信じて、もし犬が言うことを聞かなかったり何か問題行動を起こしたらきっと理由があるはずだ、ということに気が付かなくてはいけません。
だから、あなたは愛犬のことを1ミリも疑わず信じてあげて下さい。
◇3番目の約束◇
わたしにも心があることを忘れないで下さい
これは、言わなくてわかることですよね。
犬は心があります。それもとても、とても深く透き通った純粋な心。
犬の良さを全部わたしに教えてくれた最愛の祖母が亡くなった夜、わたしはあまりにも突然のことでその事実を受け入れることが出来ませんでした。
しかし、祖母との思い出をひとつづつ思い出していくうちに心の動揺とは裏腹に涙が滝のように流れ、ただ出来るのは流れる涙を拭くことだけ。
そんな時、シェルターから我が家に来たばかりの愛犬は、わたしに汚れたアヒルのぬいぐるみを渡してくれました。
それは彼のお気に入りのぬいぐるみでした。
きっと、「これ貸してあげるから、元気出して。」と言っていたんだと思います。
人の悲しみ、喜びをすぐに感じ取り飼い主の心に必ず対応してくれる生き物、それが犬です。
まとめ
「人間は裏切ることがあっても決して犬は裏切らない。」と言うのは亡くなった祖母が常に口にしていた言葉。
本当にその通りだな、と思います。
裏切るのはいつも、人間の方なのですよね。
余命宣告された老犬のためにわたしたちが出来ること、コチラの記事も読まれています→老犬や余命宣告された愛犬にしてあげられること。飼い主だからこそ出来るたった1つの事とは