保護犬

老犬の里親。老犬を飼えなくなった人、老犬を引きとることを考えている人に伝えたいこと

今日は叔母から「相談がある」と電話が来たので埼玉まで遊びに行きました。

叔母の家には昨年まで老犬のキャバリアが暮らしていましたが、歳をとり心臓の病気で亡くなりました。子どもが巣立ち、その犬を大事に育てていましたので、その時の叔母夫婦の落ち込み具合というのは、とても見ていられない状態。

 

もう60歳を超えているので、次の犬を迎えることは年齢的に難しいと思っていた矢先、あまりの落胆ぶりに息子夫婦(つまり、わたしのいとこ夫婦)がある提案をしてきたそうです。

「もう一度、犬を家族に迎えてもいいよ。もしもの時は自分たちが引き取って可愛がるから。」

 

犬の平均寿命は1980年代に比べ、食生活・医療・住環境が格段に良くなり、最近では20歳近くまで生きるワンちゃんもいるほど。

だから、60歳以上の人が犬を飼う場合、犬よりも先に逝ってしまうかもしれない、という心配があります。

 

息子夫婦の提案により、叔母はある保護団体から1匹の雌のワンちゃんを引き取りました。

 

初めは老犬も視野に入れていましたが、マッチング(犬を数週間ホームステイさせて飼い主と犬との相性をみる期間)により生後6ヶ月の雑種の雌犬を家族に迎えることに決めたのです。

老犬の里親になるメリット・デメリット

老犬はとても穏やかで、優しい。

あのぬくもりを持った瞳がそのすべてを物語っています。そこにいるだけで、いい。

 

メリット、デメリットという言葉をこういう場合に、使いたくはないのですが、里親になり老犬を迎える前に必ず知っておかないといけないので記してみます。

老犬のメリット

  1. ある程度性格が決まっていますので、その犬の個体が持つ性格をみて決めることが出来る
  2. 老犬であるがゆえの穏やかさ
  3. 仔犬、成犬ほど散歩時間が長くない(ただし、毎日の散歩は必ず必要!)

老犬のデメリット

  1. 引き取ったあとに病気が発覚する場合がある
  2. 老犬であるがゆえに一緒にいる時間が短い
  3. ネグレクトや虐待による精神的につらい過去がある可能性がある

 

ここに書いたメリット・デメリットはほんの一部です。

あなたには「里親になりたい、里親になってもいい」と思ったなんらかの理由や経緯があるんだと思います。

 

ただ、犬を飼うことは命を預かること。全責任を負わなくてはいけません。

・・・と、こんな言葉を聞くと少々ひるんでしまいますか?

 

でも、犬を飼うと定期的な予防接種は受けないといけないし、病気になったら病院にも行く、医療費が高いから保険にも入っておかなきゃ、散歩だって朝夕しないといけない。旅行も思うようにいけない、留守番の時間は極力短く・・・

そうなんです、犬を迎えると生活の全てが犬中心になると言っても過言ではありません。

 

ただ・・・

 

犬と暮らすということは、前述した全てのことを実施してもおつりが来るくらい、豊かなもの

 

わたしは就職した当時、あまり雨の日が好きではありませんでした。

なぜなら、生まれ育った九州を離れ、慣れない都会での一人暮らしはとても大変だったから。

そんな時に雨が降ったら、わたしの心を代弁してくれているようで暗い気持ちになったのでした。

 

それから数年・・・初めて犬と一緒に暮らし始めて(実家でも飼っていましたが、自分のパートナーという意味では初めて飼った犬)気が付いたことは、雨の日がきらいじゃなくなった、ということ。

雨の日にBill Evansを聴きながら、足元に寝ている愛犬を撫でる時間の豊麗なことといったら・・・

他には何も要らない、とさえ思えてしまいます。

 

老犬をこれ以上飼えなくなった人へ・・・

きっとあなたにも事情があるんだと思います。

でも、仔犬の時に遊んだ時のこと。初めてお座りが出来るようになった時のこと。散歩のときたくさん二人で歩きましたよね?

 

一つずつ思い出してみて下さい。

 

なぜ手放さないといけなくなったのかは分かりませんが、出来ることならもう一度一緒に暮らすことを考えてもらいたい。

考えて、考えて、考えつくした結果、どうしても・・・というならせめて安心してあなたのパートナーを任せられる人に引き取ってもらってください。

 

決して保健所に自らの手で連れていくことはしないで下さい。

 

あなたの愛犬は、全部分かっています。あなたと別れたあとも「もしかしたら、また、迎えに来てくれるかもしれない。」と一抹の希望を胸に、冷たい床で眠るのです。

あなたの愛犬は、あなたが思っている以上にあなたのことが大好きです。

あなたしかいないんです。

 

まとめ

保護団体から犬を譲渡してもらうとき、是非次の点に注意してください。

良心的な保護主さんなら必ず相性をみるための期間を設けてくれます。ただ、保健所から引き取り譲渡すればいい、というものではないからです。

 

犬と飼い主にだって相性があります。もし、あなたが犬を引き取った矢先「なんか違う」という違和感は、また悲しい命の負の連鎖を生むかもしれないから。

 

保護団体から犬を引き取りたいと考えている場合は、必ず「トライアル期間はありますか?」と聞いてみて、必ず数週間一緒に暮らしてみて「一緒に暮らせる!」と自信がついてから引き取るようにしてください。

 

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ABOUT ME
まめ太
幼少の頃から身近に犬がいる生活を送っています。 祖父が育てていた元警察犬(ジャーマン・シェパード)が常にいる状況でした。 そして現在は茨城県動物指導センターから引き取った元保護犬をパートナーに選び、暮らしています。 将来は、保護犬の活動の一環として保護施設にいる子たちの避妊手術を寄付できるよう現在活動中。