犬の食糞とは、愛犬がうんち(他の犬、猫、自分の・・・)を食べてしまうということ。聞いただけで具合が悪くなりますよね。
でも、食糞で悩まされている方も多いのではないでしょうか?
わたしも今まで何匹か犬と暮らしてきましたが、ほとんどのワンちゃんは食糞が無かったのですが、今の愛犬は散歩中に落ちている糞を食糞をする癖がありました。
(今はもう治っています!!)
食糞をする時って、ものすごく素早くて、一瞬なので「あっ!」と思ったときには、うんちが口の中に入っている状況。
何度、口の中に手を入れてうんちを掻きだしたことか・・・
朝一、気持ちのよい清風を感じながら清々しく歩いている途中で、ブルーになって家に帰ったことは一度や二度ではありません。一方、愛犬は悪びれるどころか、何で叱られてるのか「ポカン」としている始末。
あの時は本当に、困りました。
しかし、大丈夫です!食糞はちゃんと治りますので安心してください。
食糞をする癖はどこから起こる?
人間の感覚からすると、自分の糞を食べる行為はどう考えたって異常行為です。何かとんでもない異常な事態が起きており、愛犬はどこかおかしくなってしまった、と考えてもおかしくありません。
でも、思い出して下さい。犬が産まれた時のことを。産まれたばかりの犬は尿も糞も垂れ流しです。その糞尿を、母親は舐めて処置します。まだ歩けない赤ちゃんの鼠径部を舐めて、便意を催させ、排便したものを舐めて処置することは自然界では自然の営み。
こういった習性をもつ犬にとって、食糞は何も異常なことではないのです。
東南アジアなどの土着犬は、食べ物がなく糞にまみれた食べ物を食べていることもありますが、わたしたちが生活している日本は、食べ物も豊富にある。野良犬ではなく飼い犬の話です。ごはんをちゃんと食べている中で食糞をしているとなると、何か原因があるはずです。
原因その①「分離不安」
分離不安、と聞いてピンとくる方もいますよね。我が家もそうですが、共働きなので、1週間のうちの大半は留守番させています。
飼い主がいなくなって不安になる現象。しかし、現代において24時間付きっ切りで愛犬と過ごせる人は何人いるのでしょう?犬の留守番と人間生活をうまく形成するためには様々な工夫が必要になります。
犬と人間を離す「分離」自体は悪いことではない。むしろ、「分離」することで犬が不安を覚えることに問題があるのです。分離しても落ち着いて留守番出来るワンちゃんもいるので、訓練でちゃんと出来るようになります。
お仕事や、外出の際にどのような形で家を出ていますか?「行ってくるね、お利口にしていてね。」と飼い主さんであるあなたが悲しそうな顔で出て行っては、犬には「悲しい、独りぼっちだ」というインプットになります。
そうして、実際もずっと一人で留守番。案の上、さみしいですよね。
飼い主であるあなたが帰ってきたら真っ先に愛犬の元に駆け寄ります。しっぽをちぎれんばかりに振る愛犬。今生の別れから再会を果たした二人のように涙の再会。これももちろん「深い愛情」からしていること。
実は、この「お別れ・再会」の儀式が、分離不安を助長しているといっても過言ではありません。
実際に群れで生活をする習性をもつ犬が、一匹になってしまう時間は不安でしょう。「行ってくるね、お利口さんにしていてね」と別れの儀式の後はきまって一匹になる・・・これは大きなストレスになります。これが分離不安の原因です。
そして、再会の儀式はどうでしょう。会えなかった分、愛情を注いでいるつもりで何よりも先に触れ合う。これのどこがいけないというのでしょう!
不安分離になっている犬にとっては、この行為も不安分離を加速させているのです。
この状況を分かりやすく解説しますと、「別れの儀式の後は決まって一人→さみしい・意気消沈→飼い主さん帰宅、再会の儀式→興奮」と、まるでジェットコースター並みの感情の浮き沈み、これが問題なのです。
これがストレスにつながり、様々な問題行動が起きます。脱糞、食糞もそのひとつ。
トイレ以外の場所で糞をしていた場合、飼い主さんは大きな声で叱ります。そうすると、今度は「見つかる前に食べちゃえ」と食糞に繋がるわけです。
食糞をしている現場をみて「あー!ダメダメダメ!」と騒げば、犬は「ん?食べたら注目してくれるの?」うんちを食べる=飼い主さんが来てくれる、という構図になって食糞が助長される。
ではどうしたら良いのでしょうか?
先ほどキーワードをお伝えしましたが、覚えていますか?
「感情の浮き沈み」がストレスを生むのです。感情の浮き沈みたストレスになるのであれば、その逆、「平常心」を保てばストレスを生み出しません。
出かける時も帰ってきてからも、常に心と行動は平常心。特別な接し方をしない、これを常に頭に入れておくこと。
原因その②「消化酵素不足」
犬の食生活と食糞も大きなつながりがあるそうです。それは、消化酵素不足。
そして、食糞をしてしまうワンちゃんの多くは、ドッグフードが主食となっているそうです。
なぜドッグフードは消化酵素不足なのかというと、乾燥タイプのドッグフード(カリカリ)は加熱処理をしています。この加熱処理の段階で酵素がなくなってしまいます。
その結果、加熱に弱い消化酵素は乾燥タイプのドッグフードからは全く摂れなくなるのです。
つまり、腸内環境の悪化へとつながる。
犬の祖先をたどると、オオカミに繋がります。オオカミ時代には生肉や、草を食べて酵素を補給していた犬が、乾燥タイプのドッグフードだけを食べるようになり、圧倒的に酵素が不足しています。
最近ではこの酵素を補給するためにも「生食でたべさせること」が拡がっています。
手作りごはんは生肉を手に入れたり、調理する時間が保てなくてハードルが高い、という方には、生肉以外にも新鮮な野菜や果物でも摂れますので、りんごやブロッコリー大根、などを生のまま与えるもよいでしょう。
我が家では台所で野菜を切っている際に端っこの方をよけておいて、夕食時に愛犬にあげています。歯ごたえを喜んで噛んで食べています。
その他
老犬になると、食が細くなったりして栄養が足りないことがあります。また、足腰が弱くなり愛犬も外に出たがらなくなります。食事の充実も重要ですが、日々の適度な運動も必要ですので、この点も意識してみましょう。
食糞を防止するサプリメントも販売されています。食糞対策のサプリメントは、サプリメントの成分で糞が苦くなるというもの。また、食事に食糞防止のスプレーや液体をかけると、食べる時はおいしいのですが、糞が不味くなるようになるものも。
こういったアイテムに頼るのもいいかもしれません。
手を尽くしても治らない食糞は、もしかしたら病気が原因による食糞かもしれません。これを見分けるには素人では難しい。そんな時は獣医師に相談してみましょう。
まとめ
犬の食糞について、いくつか原因と対処法を紹介してきました。愛犬が食糞をするというのは、とてもショックなことです。実際に自分も体験してみて「何とか止めさせたい」と思いましたし、そういう気持ちの飼い主さんも多いのではないでしょうか。
それでも、犬の習性を理解できたら、食糞は特別なことじゃない、うちの子だけじゃない、ということがわかっていただけたかと思います。
原因①でもお話したとおり、食糞は犬の心の問題が原因の場合もありますので、この原因を取り除けば、すぐにでも食糞は解決されます。
毎日の飼い主さんとのコミュニケーションを大切に、素晴らしい関係性を愛犬と作り上げてください。
病気からくる食糞は、主治医と相談のうえ、医学の力を頼るのが良いでしょう。
食糞はすぐに治る場合もありますが、飼い主さんが焦っていると思った以上に長くかかる場合もあります。犬のしつけは、気長にやっていくことも大切です。
焦らずに、落ち込んだりせずに、堂々と自信を持ってしつけていってください。
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