犬も、糖尿病になって苦しむことがあります。
しかし、この話を初めて聞いた時、とても驚いたことを覚えています。「その病気は人間だけの病気じゃないの?」
誰だってそう思いますよね。でも、こうやって何気なく過ごす中でも、糖尿病に苦しむ犬は少なくない。
人間の糖尿病は、最も一般的な糖尿病は、2型糖尿病と呼ばれ、糖尿病患者の10人に9人以上はこのタイプです。そして、その病状はどのようなものかと言うと、2型糖尿病では、膵臓から分泌されるインスリンの量が十分ではないか、作られたインスリンが十分作用しないか、によって以前は「インスリン非依存型糖尿病」と呼ばれていました。
肥満=糖尿病と考えがちですが、砂糖などの甘いものの取り過ぎといったことだけが原因ではないのです。また、発症する年齢は若い人でも発症する場合もありますが、40歳を過ぎてから発症する場合がほとんど。
それでは、糖尿病についてもうすこし掘り下げてみましょう。
糖尿病の初期症状について
糖尿病の初期症状には、人間の糖尿病初期症状と同様で、はっきりとした自覚症状がありません。
なので、糖尿病を発症していても気づかずに過ごし、具合が悪く病院に行ったら病気が進行していた、ということがほとんど。
実は、わたしの義理母も車を運転中に物が二重に見える、ということで眼科を受信しました。そこで診断されたのが「白内障」とのこと。
しかし、年を取った老化現象で「白内障」になったのではなく、糖尿病の合併症で「白内障」発病していたのです。
犬の場合も全く同様で、目が白濁したので眼科を初めて受診してた。その時に「糖尿病」が発覚するというケースが多いそうです。
しかし、良く注意してみると、初期に全く症状がないわけではありません。
人の糖尿病の症状でも、「多飲・多尿・体重減少」と、呼ばれる”3大症状”というものがあります。
これも全く同じで、犬も同様の症状がみられるのです。
糖尿病は、インスリンが正常に分泌されない為に、血液中に増えた糖を臓器に取り込むことができず、高血糖が持続している状態です。
腎臓は、血液中に浮遊している増えすぎた糖を尿として体外に排泄しようとするため、多尿という症状が表れます。
この尿をチェックすると、糖がたくさん排泄されていることがわかります(尿糖)。
また、高血糖になった血液は浸透圧が高くなり(濃度が濃い)、体はそれを薄めて補正しようと水分を取り込みます。
このようなメカニズムにより、血糖が高くなると常に水分を必要として喉の渇きを強く感じ、多飲という症状が現れます。
そして、多飲により尿の回数はさらに増えるという悪循環に陥ります。
ちなみに、犬の飲水量の目安は、計算式もあり、また、気候や食事内容にもよりますが、体重1kgあたり50ml~60ml/1日と覚えておくと便利です。
肥満は糖尿病の要因になるものですが、病気が進行すると、反対にどんどん痩せていきます。
糖尿病は、血液中に糖がたくさん存在しているにも関わらず、インスリンの働きがないので、それをエネルギー源に変換して、必要としている細胞に届けるということができません。
それぞれの細胞が正常に機能するためには、エネルギー源が必要です。
それで、糖の代わりとして、体を構成している脂肪やタンパク質を分解して利用するようになり、それが体重減少という症状を引き起こすのです。
糖尿病は、このように、糖をエネルギーに変換して活用できないので、血液中に余って増えていくだけであり、一方で体は常にエネルギー不足の状態に陥ってしまいます。
エネルギーが枯渇するので常に空腹感があり、多食という症状が現れます。
しかし、どんなに食べて糖を取り入れても、有効な栄養になり得ない為、体重は減って痩せていくという症状になるのです。
そして、糖以外のエネルギー源を使うために、体内にはその代謝産物である有害物質が増え、代謝性アシドーシス(ケトアシドーシス)という状態を起こすこともあります。
代謝性アシドーシスには昏睡などの症状が現れ、最悪の場合は死に至ることもあるとても危険な状態です。
糖尿病にかかりやすい犬がいる?
では、老犬がどのような犬が糖尿病にかかりやすくすいのでしょうか?次の記載をご覧ください。
● 肥満体型の犬:糖尿病に限らず、さまざまな病気の原因となります。
● 性別:不思議なのですが、犬の世界では雄より雌の方がかかりやすい。特に避妊手術を受けていない雌犬ではリスクが高いとされています。
● 年齢:中〜高齢犬で多く、8歳前後が発症のピークとされている。
● 犬種:ダックスフント、プードル、シュナウザーなどは糖尿病にかかりやすいといわれている。
まとめ
犬が糖尿病にかかると、インシュリン注射後に突然倒れることがある。
だから、インシュリン治療がはじまった愛犬を持つ飼い主さんは、「インシュリン注射後」よく注意してみてください。
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