老犬になると若い頃と違って体の変化と共に、心にも変化が訪れます。昔はビュンビュン走り回っていた愛犬も、年齢を重ね、走らなくなり歩く速度でさえもゆったりとなります。
併せて、老犬と一緒に過ごす時間も、とてもスローな速度になっていきます。
音楽に例えていうならば、仔犬~成犬にかけては「トリッチ・トラックチ・ポルカ」だとすれば、老犬に流れる音楽はG.F.Haendelの「LARGO」といったところでしょうか。
わたしはこの老犬と共に流れる、とりわけゆったりとした時間も大好きです。
老犬になり介護生活に突入、というワンちゃんもいれば、老犬になっても介護なんて必要なくて元気なワンちゃんまで、本当にそれぞれ。
ただ、元気なワンちゃんでも急に甘えん坊になる子もいるんです。なぜだか分かりますか?
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老犬が甘えん坊になる理由とは?
老犬が若い頃はしなかった行動で、最近になって気になる行動やしぐさを始めた場合、その変化をしっかり観察してみてください。
「子犬返り」と呼ばれる行動、つまり昔はしなかったのに、最近になって始まった甘える態度をしっかり把握し、愛犬の変化に気づくことが重要です。
- 頻繁にすり寄ってくる
- 切ない鳴き声をだす(ピーピー、クーンクーンなど)
- 飼い主の後をついて回る
- 飼い主と一緒に寝たがる など
このような仕草が見られた時には、あなたに何かを訴えたいのかもしれませんので、撫でてあげたり、マッサージしてあげてみて、さらに変化を確認してください。
おかしな点があったり、異常を発見した場合はすぐに獣医師に診せること。
ただ単に年をとり不安が増えてあなたと一緒に居たい場合
年を取り、老化が原因で甘えん坊になった場合には、優しく声をかけて要望を聞いてあげましょう。恐らく、横に来て撫でてもらいたい、あなたと一緒に居たい、という理由だから。
どうしても落ち着かない場合、おすわりや伏せをさせて、落ち着いたら褒めて撫でてあげて下さい。甘える態度に対して、「毅然と構えてすぐに対応してはいけない(つまり、犬と飼い主の主従関係をはっきりさせるため)」と、言われる場合もありますが、やはり愛犬は不安や寂しさをあなたに訴えていると思うのです。
ですから、まずは優しく名前を呼んで撫でて、落ち着きを取り戻してあげてください。
また、日々衰えてくる体の変化や、出来ないことが増える苛立ちから、老犬の不安を煽り甘えたくなることもあるため、日頃から体力・筋力の衰えを防ぐことも大事です。
- なるだけ散歩に連れて行く。足腰の筋肉を使うこと
- 遊びにより、ストレス発散をさせる
- 足腰の負担や緊張を和らげるマッサージをする など
病気が原因であなたに深層の部分であなたに甘える場合
病気が原因で甘えてくる場合、明らかに鳴き声などが違う場合が多いので、すぐに病院に連れて行くこと。
【椎間板ヘルニアの場合】
愛犬が「クーンクーン」と鳴いたり、「ピーピー」鼻を鳴らしたり、または体をすり寄せてくるけど動きたがらない場合は、椎間板ヘルニアの腰痛の症状が出ている可能性があります。
脊柱を構成する頸椎から尾椎までの椎骨間にあるゼリー状のクッション(椎間板)が損傷し、神経を圧迫する病気。肥満、激しい運動、加齢などがひとつの原因です。軟骨異栄養症性犬種(ダックス、ペキニーズ、コーギー、ビーグル、パグ、シーズー、プードルなど)にみられ、老犬だけでなく、若いうちから発症することも少なくありません。歩き方など普段の行動をよく観察し、違和感を感じたらすぐに動物病院で診てもらいましょう。
椎間板ヘルニアについては、こちらの記事も読まれています→老犬は椎間板ヘルニアが原因で介護に。後ろ足が動かないのはヘルニアが原因?
【認知症】
犬も人間と同じで、高齢になると認知症になるワンちゃんもいます。認知症になると、生活リズムが昼夜逆転したり、今まで吠えなかったワンちゃんが狂ったように吠え続けたり、また、視力の低下、聴力の低下により出来ないことが増えるその不安から、飼い主への甘えがひどくなるケースも多い。
老化により、脳の認知機能が衰える病気です。
ぼーっとする時間が多くなったり、理由もなく突然吠えだす、同じ場所をウロウロと歩き続ける、夜泣きが突然ひどくなるなどの症状がある。
まとめ
老犬が甘えてくる場合、それは飼い主であるあなたを信頼しての行動です。まずは心の不安を取ってあげて下さい。
自分だったらどうでしょう。不安だな、怖いな、心細いな・・・と思っている時、心から信頼できる誰か(家族や恋人、心許す友人 など)に「大丈夫だよ。」と、寄り添ってもらうだけでも不安が軽くなりませんか?
そして、病気の場合、早期発見・早期治療が何よりも大事です。発見が早いに越したことはありません。常日頃から、愛犬と向き合い、愛犬の立場になって考えること。これが大事なんじゃないかな、と思います。
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