犬たちは、わたしたちの後からやって来て、強烈に楽しい思い出を残し、わたしたちよりも先に逝ってしまう。
分かってはいるものの、こればかりは何度体験しても慣れません。愛犬の最期を看取ることは、飼い主としてのつとめです。
まだ小さく、コロコロ走りまわる仔犬の頃に愛犬の死を想像すること難しいでしょう。成犬になった時、周りのお友だちワンコがちらほらと老犬特有の症状を持ち始め、「こうやって、老いていくのか・・・」と思うことはあっても、愛犬との別れを意識することはまだないでしょう。
ワンちゃんの愛くるしい顔に白髪が目立ち始め、足が弱くなり、こうやって一緒に歩けるのもあと数年、もしかしたらそう長くないかもしれないと思うと、辛くなります。
それでも、まだ愛犬が生きているうちは良い。
愛犬の死が辛い時の対処法
愛犬との別れは、突然訪れる場合もあれば、介護をしてきて徐々に徐々に弱くなって、別れを迎えることもある。
何度か別れを経験しているけど、もう二度と彼の温もりを腕の中に感じることは出来ない、と実感した時、止めどもなく流れる涙は枯れることを知らず、まるで体に残された水分がすべて涙に変ったかのようでした。
愛犬を失って思うことは、どんなに夜鳴きが酷くても、介護のために睡眠時間が足りていなくて疲れていても、名前を呼べる相手がそこにいるのと、居なくなってしまってからは天と地ほどの差があるということ。
名前を呼んでも、愛犬はもういない・・・
この現実を受け入れることが、こんなにも辛く難しい事だなんて想像できなかった。
「こんな泣いてばかりじゃ、きっとあの子も悲しむ」と思って、頑張って前を向いて歩き始めるのに、いざ家に帰るといつもの定位置には、物悲しい殺風景な空のベッドだけが残されているこの現実。
料理をしていると、いつも横に来てキャベツやニンジンの端っこをもらいに来てたっけ。声を掛けると、どこからか姿を見せるんじゃないか、そう思うことも一度や二度ではありませんでした。
こんな毎日が続くと、わたしは絶対に壊れる・・・
「このままでは前に進めない」と、思ったわたしはけじめをつけるため、人のお別れの時のようにちゃんと供養をしてもらうことにした。
わたしの体験談:愛犬からのメッセージ
ペットの死を乗り越える唯一の方法
きちんと供養をすることで、少なくとも気持ちを整理することが出来ます。
よく、愛犬が亡くなるとき「虹の橋を渡る」という表現を使うことがありますが、本当に虹の橋を渡って天国に向かって歩いているんだと思います。
亡くなった愛犬のことを、毎日悲しい気持ちで思い出すと、せっかく虹の橋を渡ろうとしている愛犬が「ママ、大丈夫かな。ボクがいなくて泣いてる、大丈夫かな。」と気持ちを引っ張られて上手に渡れないそうです。
これって、お互いのことを想っているんだけど、結果どちらも前に上手く進めていない。
「愛犬がちゃんと虹の橋を渡り、天国でお友だちと仲良く走り回れるように、気持ちを引っ張らないことが重要だ」と、諭されてようやく気が付きました。
愛犬がいつまでも悲しそうな、心配そうな顔で自分を心配している姿なんて、想像しただけで可哀そうですよね。
今まで何年も不自由だった重たい肉体を脱ぎ、軽くなった体で天国の草原を、生きていた頃みたいに駆け回って欲しい、そう思ったら、なんだか心が急に軽くなりました。
毎日の生活で泣かない。お互いのために。
命日の時だけ、お家に戻って来るそうなので、好きだったご飯とおやつを準備して迎え、また送り出す。
まとめ
今まで一緒に暮らしてきた愛犬が、この世からいなくなる。
わかりきっていた事なのに、いざ直面するとなかなか立ち直れないもの。だって毎日一緒に暮らしてきたパートナーですから当然のことです。
亡くなったあとも近くにその存在を感じたくて、お骨をそばにおいて置く人も大勢いると聞きます。わたしは田舎で育ちましたので、家の敷地内で埋葬しようと考えたこともありましたが、もしその土地を手放す必要が出た時、あの子はどうなってしまうんだろう?と考えた結果、納骨することに決めました。
もしかしたら、ペットのお骨を側に置きたいと考える人の中には、こうした土地の事情も背景にあるのかもしれません。
これは供養した時に教えてもらったことなのですが、いつまでもお骨が側にあるとお互いに前に進み辛くなるためきちんと納骨をして、会いたい時はお参りする。人間も亡くなった時、神道であれば神あがりし、仏教であれば仏となると教えられています。
犬もやはり帰るべきところに返してあげることが必要なんです。
そう思えたら、意外にも受け入れることが出来て、気持ちの切り替えができてくるもの。
しかし、それでもまだ気持ちの切り替えが出来なくて、沈んだ気持ちの時は愛犬からのメッセージだと思って、この言葉を思い出してください。
10番目の約束 「私が死ぬとき、お願いです。そばにいてください。そして、どうか覚えていてください。私がずっとあなたを愛していたことを。」
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