犬の安楽死については、賛否両論ありますが、あなたの考えはどちらですか?
神様からいただいた大切な命、その命の灯が消えるその最期の瞬間まで生きていて欲しい。
一方で、体が自由に動かない、そのうえ病気で痛そう、辛そう。呼吸は細くトイレも自力では出来なくなった。自尊心の強い子はプライドが傷ついているかもしれません。
何の知識もない頃は「絶対に安楽死はしない方がいい」と思っていましたが、色々な考え方に触れ、色々なワンちゃんの最期の話を聞いて、今はその意見が正しい、とは言えなくなりました。
犬の安楽死の判断基準について
現在の日本の法律において、人間は安楽死が禁じられていますが。ところが犬は(残念ながら)「物」として扱われています。ですから、犬の命は飼い主の判断に委ねられます。生死の選択を判断する、つまり安楽死させることも飼い主の判断によって決まります。
私たち人間には「命の選択」をする権利はありません。それは、法律で安楽死が禁じられているからです。そして、犬の安楽死が命の選択になるのかどうか、いつも議論になりますが、最後は飼い主の判断になります。
安楽死を選択した友人は「安楽死を選んだが、後悔している。」と言っていました。
なぜ彼が安楽死を選択したのかというと、毒物を誤飲してしまった友人の愛犬は、血を吐きながら苦しんだそうです。体重も半分以下に減り、回復の見込みがないと診断され、家族との話し合いで安楽死を決めたそうです。
苦しむ愛犬を生き続けさせることは、苦しみを長引かせること・・・そういう状況下にあったのです。
その悲しい事故があってから、すでに20年以上が経つけれど、やはりその時を思い出すと胸が痛む、と彼は言っていました。
この話を聞いて、自分だったらどうするかを考えました。すると、以前と同じ答えではないことに気が付いたのです。
苦しむ愛犬を自分で看取りたい。ある意味、この選択も人間のエゴなのかもしれません。苦しむ姿で点滴を打ち、良くなることを願って延命させることは、すなわち苦しむ状況を延長させることにも繋がる。果たして、そこまでして(苦しみが続いているのに)生かしておくことは、正しい選択なのだろうか。
あなただったら、どちらの決断をしますか?
勘違いしないで欲しい、保健所での死は安楽死じゃない!
安楽死。言葉の定義が難しいのですが、Wikipediaによるとこう書いてあります。
安楽死(あんらくし、英語:euthanasia)とは、人または動物に苦痛を与えずに死に至らせることである。一般的に終末期患者に対する医療上の処遇を意味して表現される。安楽死推進団体に所属し、スイスで安楽死したオーストラリアの環境学・植物学者 デイビット・グッドールは「ふさわしい時に死を選ぶ自由」と定義している。安楽死に至る方法として、積極的安楽死(英語:positive euthanasia , active euthanasia)と、消極的安楽死(英語:negative euthanasia , passive euthanasia)の二種類がある。安楽死の別表現として、尊厳死(英語:dignified death , death with dignity)という言葉がある。これは、積極的安楽死と消極的安楽死の両方を表現する場合と、安楽死を本人の事前の希望に限定して尊厳死と表現する場合があるが、世界保健機関、世界医師会、国際連合人権理事会、国家の法律、医療行政機関、医師会などの公的な機関による、明確または統一的な定義は確認されていない。
出典元:Wikipedia
人または動物に苦痛を与えずに死に至らせること。
この記事は、保健所での殺処分は動物を苦しめて死に至らせている、ということに焦点を当てているわけではなく、保健所の処分が適切ではないと言っているわけではない、ということを先にお断りしておきます。
日本全国の保健所や各都道府県、政令指定都市が管理運営する動物愛護施設を全てみて回ったわけではありませんが、保健所の職員さんが震える手でボタンを押すという話を聞いて、その辛い心境を思うと涙が止まらなかったことを覚えています。
誰だって殺処分なんてしたくない。
収容される犬たちは、迷子、捕獲収容、野犬、飼い主放棄など理由は様々ですが、わたしがここで言いたいことは、飼い主は責任をもって飼って欲しいということ。
お年を召された飼い主が亡くなり、残されたワンちゃんたちが収容されることもあります。
運がよければ新しい飼い主さんがみつかる場合もありますが、残念ながら新しい飼い主さんが見つからなかった場合は処分されることもあります。
知り合いの60代のご夫婦が犬を飼う時に「もしも自分たちが亡くなったら、息子夫婦が引き取ると言ってくれたので飼えることになった。」と言っていました。
そこまで考えて飼うことが責任を持つことに繋がるのではないかと思います。
保健所からワンちゃんを引き出して、新しい飼い主さんを募集している団体や個人活動家の方のおかげで、この段階で命を繋ぐことが出来るワンちゃんもいますが(我が家の愛犬も、保健所から引き出された元保護犬です)性格に問題があったり(凶暴、噛み癖等)、高齢であれば引き出されずに殺処分されているケースも少なくありません。
保健所を訪れたことはありますか?保健所にはドリームボックスと名のついた、所謂「最後の部屋」には、もがき苦しんだ無数の爪跡が残されています。
その夢というの名前の付いた箱は、密閉して二酸化炭素のガスを噴出して窒息死させる仕組みとなっています。ガスを吸って意識を失うまでの時間はものすごく苦しくて、すべての犬が悲鳴を上げながら息絶えていくのです。
残念ながら、保健所に収容される犬たちの中には、飼い主が自ら連れてくることもあります。きっと保健所なら何とかしてくれる、と思っているのでしょう。保健所での処分=苦しまずに亡くなること、勘違いしている方もいます。
そして、職員は殺処分したくないのに処分しなくてはいけない葛藤。
これを悲劇と言わずして何というのでしょうか。
飼い主自ら連れてくる場合、飼い主にも言い分はあるんだと思います。しかし、苦しむ人たち、苦しむ愛犬のことを考えて保健所ではなくて他の選択(ほかに飼える人を探す等)して欲しいと思います。
動物病院での安楽死の方法とその費用は?
犬を安楽死させる場合、薬剤投与によることが一般的で、「ペントバルビタールナトリウム」という薬剤が使用されることが多い。
この「ペントバルビタールナトリウム」は薬剤を注射することで、中枢神経し作用して心臓や脳の機能を一瞬で停止させます。
最近では、最期の場所を選べたりするので、病院か自宅か、安楽死させる部屋へ連れて行きます。
そして静脈にカテーテルを入れ、「ペントバルビタールナトリウム」を注入し、愛犬は最期を迎えます。安楽死にかかる費用は、10,000円程度ですが、犬の体重、動物病院によっても費用は異なります。
まとめ
今、わたしの足元には丸くなってスヤスヤと眠る愛犬がいます。こうやって、パソコンに向かったり、書き物をしていると決まってわたしの側にいてくれます。愛しい愛犬が殺処分にならず、我が家に来てくれたことは奇跡だとさえ思います。
保健所やシェルターから犬たちを引き出して、命を繋いでくれる活動をしている方々がいることを知ってもらいたいです。
スヤスヤと眠る愛犬の寝顔をみていると、病気や老衰などで苦しむ姿を想像することはできません。しかし、高齢になり仮に病気で苦しんでいたとしたらどんな判断をするのでしょうか。
絶対に後悔のないように、何度も何度も話し合って決めること。
そして、命ある限りあなたと愛犬が笑顔で過ごせますように。
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