老犬の肥満は、重大な健康被害を引き起こすことがあります。
たまに散歩で出会うワンちゃんの中には、コロコロとしたワンちゃんがいます。
飼い主さんは愛犬が太っていることを深刻に思っていない様子。確かに、可愛いんです。でも、犬が太るということのリスクを考えると、うかうか笑って過ごせません。
Contents
老犬が太る原因とは?
摂取カロリーの増
元々、野生の世界では、毎日食べ物手に入るとは限りません。狩りに出かけても、何も捕れない日もあり、それが続けば餓死につながります。野生時代の犬は、食べることが出来るうちに、たくさん食べて蓄え、あしたの猟に希望を託します。
ペットとして飼われている犬は、そんな本来の姿とは、ほど遠い生活をしています。狩りに行く必要もありませんし、明日食べ物が捕れないかもしれない、という不安もない。
毎日ドッグフードが与えられ、ややもすると、オヤツまでくれる。「お代わり」なんて芸でもすれば、飼い主さんば喜んで、どんどんご褒美が出てくる!
こんな生活が続けば、愛犬はどうなるでしょうか?
そうです。野生時代の「明日、食べられるか分からないから、食べられるだけ、食べて蓄えておこう。」という潜在的な本能と、お代わりやご褒美をくれる飼い主さん出会ってしまったら・・・・
そうです、愛犬は肥満への道まっしぐら、です。
また、ごはんの量もついつい目分量で与えてしまいがち。測らずに与えていると、知らず知らずのうちに、量が増えている場合があります。
面倒でも、ごはんの量をはかりを使って正確に計量してみましょう。
そして、忘れてはいけないのがおやつ。おやつも一日の摂取カロリーのひとつです。おやつをあげた日には、一日のご飯の量で調整しましょう。
消費カロリーの減少
摂取カロリーの増の他に、運動量の低下や基礎代謝エネルギーの低下による、消費カロリーの減少が考えられます。
運動量の低下は、老化に伴い、歩きたがらなくなったことにより散歩時間の減、若い頃はよくドッグランで走り回っていたけど、最近はめっきり行く回数が減った。
さらには、体のどこか(足腰等)が痛くて、歩きたがらなかったり、老化で体がしんどくてあまり動いていなかったなど、病気が隠れている場合があります。
甲状腺機能低下症(ホルモン疾患)
老犬が太った?と見た目で感じられる時、実は重篤な病気が隠れている場合があります。
甲状腺機能低下症など内分泌疾患があった場合にも、基礎代謝エネルギーが低下します。初期の症状は気が付きにくいため、なんとなく元気がない、食欲が落ちた、なんとなく顔に覇気がない、などの変化に気が付いた場合は、まずは獣医師の診察をうけましょう。
副腎皮質機能亢進症(ホルモン疾患)
副腎皮質機能亢進症は、「クッシング症候群」と呼ばれることもあります。副腎は、左右の腎臓の近くにある、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)を分泌する内分泌器官です。このコルチゾールは、糖代謝や脂質代謝、タンパク質代謝、体の免疫系やストレスに対する作用などさまざまな働きを担っています。副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されることにより、さまざまな症状が引き起こされた状態をいいます。
この病気は中高齢のワンちゃんでは時折みうけられる病気。症状としては、水をたくさん飲む、おしっこの量が増える、腹筋の筋肉が落ちてお腹がぽっこり出てきたりします。
老犬の肥満による疾患とは?
では、肥満になったらどんな症状が生じるのでしょうか?
- 椎間板ヘルニア、四肢の関節炎
- 栄養過多による肝臓への負担。肝臓の脂肪蓄積、肝機能低下
- 大きくなった体に血液を循環させるため、常に心臓の負担がかかる
- 全身の免疫力が低下して、皮膚炎・下痢などの疾患を起こす
- 腹腔内の脂肪の量が増えたことにより、簡単な手術が難しいものへと変わる
肥満が起こす症状は、こんなにも影響を及ぼすのですね。だとしたら、肥満にさせないことが一番です。
また、去勢手術・避妊手術を受けた犬は、ホルモンバラスが偏るせいで、太りやすくなるので注意が必要!
元々、食に対して興味のないワンちゃんを肥満から守る方法は簡単です。それは「一日の摂取量を減らす」こと。
目安は、ドッグフードの袋に書いてある体重の目安よりちょっとだけ少なめにする。10kgのワンちゃんを8kgにしたいときには、体重7kgワンちゃんのごはんの量にします。この場合はおやつはもっての他です。
目標体重までにかなり減量をしないといけない場合は、一気にごはんの量を減らすのではなく、少しずつ、段階的に減らしていきましょう。
過激なダイエットは、わたしたち人間と同じで、体に負担がきます。獣医師に相談し、量を決めましょう。
痩せる食事方法はコレ!
(※写真はイメージです)
ワンちゃんが痩せるための食事方法を、いくつかご紹介します。
人間の食べ物をあげない
飼い主さんが食べているものを、愛犬が欲するままにあげてしまう人がいますが、あれは絶対NGです。人間の食べ物を与えている場合はすぐにやめましょう。塩分や脂分の量が不適切ですので、犬の寿命に関わります。
また、人間の食事には、犬が食べると中毒症状を引き起こす、食材(例えばネギなど)が混じっています。
ダイエット用のフードに切り替える
普段愛犬に与えている市販のフードを、ダイエット用のフードに切り替えることもお勧め。
また、少し量を減らして、徐々にダイエットをするのも効果的。この時、キャベツやにんじんを混ぜて「かさ増し」しても良いでしょう。
この時に注意する点は、今まであげていたフードを一切やめて、いきなり新しいフードに変えてしまうことはいけません。急な変化は犬にとっても良くなくて、食べなかったり、お腹をこわしたりする場合があります。
今までのフードに少しずつ混ぜていき、約2週間かけて、徐々に移行していきましょう。
生食給餌(手作りごはん)に切り替える
生食給餌の良い点は、なんといっても「酵素がとれる」点にあります。
生食給餌について、詳しく確認したい方はこちらをご覧ください→老犬が下痢でも元気な時は、食事内容の見直しと、サプリメント(トライプ)を!
酵素は犬の体にとって、とても良い成分なのです。
・消化酵素
食べ物を体内で消化して、必要な栄養素をとりこむために必要な酵素です。 唾液、膵液などの消化液に含まれるほか、腸内微生物も消化酵素を作り出します。
・代謝酵素
栄養素をもとに身体の各細胞を作り上げたり、呼吸や運動に欠かせない化学反応に関わっています。また、老化を防ぎ、毒素を解毒し、免疫力や自然治癒力にも働くなど、生命に関わる重要な役割を持っています
これら、酵素を上手に体内に取り入れて、健康的な体作りを始めたら、きっと長生きできるはず。
だって、犬はもともと野生の動物。生で食べることで起こる、体の変化で上手にダイエット成功に導きたいところ。
生肉が手に入りにくい場合は、こちらから通販も出来ます。
体重を調整する方法
代謝が落ちてきた老犬の体重を、実際どのように調整したら良いのかお教えしましょう。
先ほども申し上げたとおり、体重が増えるというのは「摂取カロリーが多い」か「消費カロリーが減る」です。歳をとってきて老化が始まると、人間と同じで犬も代謝が落ちて太りやすくなる。
危険な考えは、太った=ダイエットをさせる=運動で解消、という構図。当然、散歩などの日頃の運動は大事です。しかし、運動だけでダイエット、という考えは改めなくてはなりません。
取り組まなくてはいけないのは、生活習慣すべてにおいて改善すること。
そればつまり、「食事」と「適度な運動」。
日頃から与えている食事はドッグフードのみでしょうか。おやつは本来犬には必要ではありません。また、食事にトッピングをしていませんか。
おやつのカロリーがどれくらいのカロリーかというと・・・
一般的な犬用のおやつでもある、ビーフジャーキー1枚のカロリーが30kcalとします。3キロの犬にとって30kcalは、60キロの人間に換算するといったいどれくらいの量に値するか計算したことがありますか。答えは600kcalです。
実際、数字でみるとこわいですね。ごはんの他にこのカロリーでおやつを食べていると、どう考えても太ります。
おやつをあげるのは必要最小限にしましょう。
高カロリーのおやつの代わりに、生野菜のスティックをあげてみてはいかがでしょうか。我が家のワンちゃんは、キャベツの芯やニンジンの端っこが大好き。味、というより噛み応えを楽しんでいる様子です。
このようにしておやつからのカロリー摂取を抑えたり、代わりにカロリーが少ない「生野菜」をオヤツに与えたりして、総摂取量が減少すれば、体重は次第に減るでしょう。
そして、前にも述べたとおり、消化に負担をかけないよう7歳をすぎた老犬には、シニア用の食事に変更することを検討してみては?
まとめ
愛犬の肥満は、100%飼い主さんの責任です。
逆に、愛犬の健康・生命線は飼い主さんにある、といっても過言ではない。
その愛犬がもし肥満であれば、散歩の量を増やしたり、フードをダイエットのものに変えたりしてみましょう。
確実に痩せる方法を求めるのであれば、生食給餌(手作りごはん)は是非お勧めしたい方法。ひとつだけ大変な点を挙げると、生肉を手にれる、など多少面倒なこともあります。
愛犬と、まだまだずっと一緒に居たいですよね?そう思ったら今すぐに行動!是非、生活週間を見直してみて下さい。
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