老犬になると体の衰えと共に、病気にかかりやすくなりがちです。
いつまでも、一緒に歩きたいし、芝生の上では思いっきり走り回りたい。そして、今のこの幸せな時間がずっとずっと続けばいいのに。
そう、思う今日この頃。
しかし、加齢に伴い、ワンちゃんの身体の色々なところで老化現象は進んでいるんです。この前は、たまたま点けたテレビで、車いす生活で元気よく走り回っているワンちゃんを見ました。
何でそのワンちゃんが車いすを使って走っているかというと、「椎間板ヘルニア」になって後ろ足が完全に動かなくなったから。
そのワンちゃんは後ろ足が動かなくなって、最初の内は悲観的になっていてほとんど家からでることは無かったそう。でも、車いすと出会って、外にでることが出来るようになったのです。
「また前と同じように動き回ることができて良かった」と本当に安堵した飼い主さんの表情が忘れられません。
最近は、車いすも各個体によってカスタマイズできたり、値段もひと昔まえに比べるととても求めやすくなっています。ありがたいですね。
老犬が椎間板ヘルニアになる原因
椎間板ヘルニア、人間でもこの病気に悩まされている方は少なくありません。椎間板というのは背骨と背骨の間にあります。これはどういった役割を持っているかというと、背骨に外力が加わった時、衝撃を吸収するクッションのような役割。
椎間板の中心に、ゼラチン状の水分を多く含んで弾力がある「髄核」と呼ばれるものがあります。
しかしこのゼラチン状の「髄格」は、犬の老化に伴い加齢とともに次第に固くなります。
椎間板ヘルニアとは、この椎間板が飛び出して、脊髄を圧迫している状態のことです。
この脊髄、太い神経であるためとても痛いのです。人間の大人の男性でさえ顔をしかめてしまうほど。
しかし、人の腰の椎間板ヘルニアは脊髄から枝分かれした末梢(まっしょう)神経が障害をうけるもので、通常、下半身麻痺(まひ)は起こりません。
ところが、犬の腰の椎間板ヘルニアは中枢(ちゅうすう)神経である脊髄(せきずい)が直接障害をうけるため、人より重症な場合が多い。そして、犬の場合下半身麻痺を起こすことが多く、そしてこの圧迫が長期間にわたると、神経が麻痺するのです。
神経が麻痺した状態を放置すると、立てなくなり歩行困難になってしまうこともあるため早目の手当てが必要です。
椎間板ヘルニアを疑う症状
ではどのような症状で「椎間板ヘルニア」と判断できるのか。
このような症状が出たら、椎間板ヘルニアの疑いが強いので、すぐにかかりつけの動物病院へ行くこと。
- 抱っこした時に「キャン」と言って痛がる
- お外に行きたがらない、歩きたがらない
- 後ろ足を引きずる
- 頭、首を下げる
- ソファーに上れなくなる、段差を嫌がる
などです。
そして、椎間板ヘルニアには2種類あります。
ハンセン1型
これは、椎間板の中心部にあるゼラチン状の水分を多くふくんでいる「髄核」が「線維輪」を破り飛び出して脊髄を圧迫するもの。
若い犬にも起こり、キーワードは「突然」。ある日突然起こるヘルニアはこのハンセンⅠ型。
ダックスフント、ペキニーズなどはもともと、椎間板が弱くこの突然性のあるヘルニアにかかりやすいといわれている。
ハンセン2型
ヨークシャテリア、マルチーズ、ミニチュアシュナウザー、ゴールデンレトリバーなどがかかりやすい。
椎間板ヘルニアにならないために出来ること。予防策
ダックスフントなどの足が短いワンちゃんは椎間板ヘルニアにかかりやすいと言われています。
椎間板ヘルニアにならないようにかねてより気を付けることを教えてもらいました。
●肥満に注意
・体重増加は腰への負担がかかるので、肥満にならないように気をつけましょう。ワンちゃんは本来おやつを食べなくても生きていけます。
●段差のあるところはスロープで
・ちょっとした段差も身体の負担になります。家の中の段差はソファーの段でさえスロープを付けるのが望ましいです。元気なワンちゃんはソファに飛び乗ったり、飛び降りたりすることも控える。
●床は滑りにくい素材に替える
・フローリングなど、つるつるしている素材だと歩く際にとても負担になりますので、滑らない素材にする。ラグ・絨毯・コルクマットなどを敷いて滑らないようにすること。
●胴輪のハーネスを使う(首輪で引っ張らない)
・首輪ではなく胴輪にして、首の負担を軽減する。
●激しい運動を控える
・激しい運動、ドッグランなどは控えめに。たくさん歩くことは足腰を鍛えることにつながるので、大いに結構です。激しい運動は控えること。
●抱っこするときの注意点
・抱っこは背中を上にして、身体と地面が平行になるように抱き上げると、腰の負担がない。前足だけをつかんで持ち上げるのはNG。
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